SHARP(AQUOS):日本市場を支えるスマートフォンブランド
SHARPのスマートフォン事業
SHARPは、日本国内市場に特化したスマートフォンブランド「AQUOS」シリーズを展開している。特に、高品質なディスプレイ技術と、国内メーカーならではの丁寧な設計が特徴である。
国内市場向けに開発されるため、耐久性や防水性能に優れたモデルが多く、特にキャリアモデルとして長年の実績を持つ。
一方で、日本市場以外では展開されていないため、グローバル市場における影響力は限定的である。
AQUOSの主な特徴
SHARPのAQUOSシリーズは、国内ユーザー向けに特化した独自の設計と機能を持ち、以下の点が特徴となる。
- IGZOディスプレイの採用
SHARPが開発したIGZO液晶は、省電力性と高精細表示に優れており、特にAQUOS Rシリーズなどのハイエンドモデルで活用されている。
- 国内向け機能の充実
おサイフケータイやワンセグ/フルセグ、耐衝撃・防水仕様など、日本のユーザーに好まれる機能を多く搭載。
- Leicaカメラライセンスの独占取得
HUAWEIが制裁によりLeicaとの提携を失った後、SHARPがLeicaのライセンスを取得し、他のメーカーが日本市場でLeicaカメラを展開することを阻止した。このため、XiaomiのLeicaカメラ搭載モデル(Xiaomi 12S Ultra、Xiaomi 13 Ultra)は日本で発売されず、Leicaカメラファンにとっては忌避される存在となり、一部のユーザーは海外からの個人輸入を余儀なくされた。
- カメラのチューニングと操作性の独自性
Leicaカメラ搭載機種では、SHARP独自のチューニングが施されており、カメラの色合いやUIの操作性が独特で、好みが分かれる。一部のユーザーからは「Leicaの名を冠しながら、他社のLeicaチューニングとは異なる」との指摘もある。
主要モデル
AQUOS Rシリーズ(フラッグシップ)
AQUOS Rシリーズは、SHARPのハイエンドスマートフォンで、特にディスプレイ技術と防水耐久性が強みとなる。
- 最新のIGZO OLEDディスプレイ搭載
- Snapdragon 8シリーズのハイエンドSoCを採用
- Leica監修カメラを搭載(一部モデル)
- 大容量バッテリーと独自の省電力機能
AQUOS senseシリーズ(ミドルレンジ)
日本市場で非常に人気のあるミドルレンジモデルで、コストパフォーマンスが高く、キャリアモデルとしても安定した需要がある。
- 手ごろな価格帯で長持ちするバッテリー
- 防水・防塵対応、おサイフケータイ搭載
- ディスプレイはIGZO液晶を採用(OLEDではないモデルもある)
AQUOS wishシリーズ(エントリーモデル)
エントリーモデルとしてシンプルな機能に特化し、コストを抑えた製品。
- 基本的なスマホ機能を網羅
- 耐久性が高く、シンプルなデザイン
- 価格重視のユーザー向け
AQUOSの強みと弱み
強み
- 国内向け機能の充実
おサイフケータイ、防水・防塵、ワンセグ・フルセグなど、日本市場のニーズに合わせた仕様が魅力。
- IGZOディスプレイの優れた省電力性能
他メーカーと比較して、液晶ディスプレイ技術に強みを持ち、省電力かつ高精細な表示を実現。
- Leicaカメラ搭載で写真品質を強化
HUAWEIに代わり、SHARPがLeicaカメラを搭載。日本市場でLeicaブランドのスマホカメラを使用できるのはAQUOSのみ。
弱み
- 国内市場限定の展開
海外市場では展開されていないため、グローバルな視点でのサポートやアクセサリーの充実度が低い。
- 修理パーツが高額になりやすい
国内市場のみで展開されているため、修理用パーツの供給が限られており、ディスプレイやバッテリー交換のコストが高くなりがち。特にLeicaカメラ搭載モデルでは、カメラモジュールの交換が高額になることが多い。
- Leicaライセンスの独占によるカメラファンの不満
Xiaomi 12S UltraやXiaomi 13 Ultraが日本で発売されなかった背景には、SHARPがLeicaライセンスを3年間独占した影響がある。そのため、Leicaカメラファンの間では強く反発され、海外からの個人輸入を検討するユーザーが増える要因となった。
- カメラUIや操作性が独特で好みが分かれる
SHARPのカメラアプリは、Leicaライセンスを取得しているものの、XiaomiのLeicaモデルとは異なるチューニングがされている。そのため、カメラの操作性や色味の出方に賛否が分かれる。
まとめ
SHARPのAQUOSシリーズは、日本市場に特化したスマートフォンブランドとして、国内向け機能の充実とディスプレイ技術の高さが魅力である。一方で、修理パーツの高額さやLeicaライセンスの独占によるカメラファンの反発といった問題も抱えている。
特に、XiaomiのLeica搭載スマホが日本で発売されなかった理由の一因がSHARPにあることは、カメラ愛好家の間で大きな不満となっており、海外調達を試みるユーザーも少なくなかった。
次回はASUS(Zenfone・ROG Phone)について紹介する。